欠落した感性に響く

8時過ぎに自然に目が覚め、昨日の残りのサンドイッチを半分食べ、用意する。
昨夜から体調がすぐれないと言う千秋を置き去りに、手紙と薬(持ってたのが風邪薬しかなかったので一応・・・)を残して一人出発。

自分でも非常だなぁ~~~とは思ったけど、今日でお別れのCopenhagenをまだ満喫していない。行きたいところがあった。

確認した時刻表が9時32分だったので、少し前に宿を出てバス停に行くと、バスがもう来た。
いつもなら数分遅れることはザラなのに、今日はなぜか5分以上早かった。

バスに乗り、Københaven Hへ。今日のプランはもう頭に出来上がっている。
旅立つ前に情報を・・・このBlogに書いたところ、Copenhagen情報提供・yutaka_0825さんが教えてくれた、Louisiana Museumに行きたかった。

バスが駅に着き、駅の切符売り場でLouisiana Museumの所在地・Humlebæk(読めないので・・・)を指して、「ここに行きたい」と言うと、「Louisiana Museumに行くの?」と聞かれた。「Ja!(Yes!)」と答えると、往復切符と美術館の入場料がセットになったものを出してきてくれた。147DKK。

それを手に、10時01分の電車を待っていたら、不具合で電車が遅延。乗れたのは10時34分だった。
電車に揺られ30分ほど。Humlebæk到着。駅周辺は何も無いけど、「私が思い描いてたデンマーク!」像がここにあった。
レンガ造りの小さな駅。人は10人も居なかった。
駅前は円形の花壇があって、木が植えられていた。なんにもないけど、どことなくのんびりした空気が流れていて、木から漏れる光がキレイだった。レンガ造りの低い建物が数件あるだけの、小さな小さな駅。
お花屋さんと、動物の餌や服を売った店、カフェテラスが並んであった。

駅前の地図でLouisiana Museumの場所を見ると、歩いて近そうだったので、カメラを片手に歩いていった。“Louisiana”書かれた看板が立ってるので道に迷うことは無かった。
道に出ると、車の通りも少ない。人通りも少ない。
林に、道路を挟んで暖炉がありそうな、暖かい色身の可愛らしい家がポツポツと並んでる。通りは木が茂ってるので、日陰になって風が冷たい。

歩いて5分ほどで到着。最初、「どこ?」って思うほどな場所。小さな住宅街に、一軒、蔦が絡まってて、魔女の宅急便のキキの実家みたいな平屋の建物がある。ここがLouisiana Museum。
何で気付いたって、この美術館の前に“Louisiana”とオレンジで書かれた今やってる展示の案内看板が3つずつ、2ヶ所に立ってる。それで、「あ、ここか!」と気付いた。

中に入ると、受付とデザイングッズや本が売られていて、人が結構居た。
そこのガラス戸を通り抜けると今やっているデンマークのデザイン家具アーティスト・Poul Kjærholmの椅子やソファーの写真をアクリル版に写したものが突起になってずら~~~っと横一列に案内されていた。

そこを通り抜けると、Poul Kjærholmの歴代の作品や、作る工程の案内(脚の骨組みとか、生地、材質などの椅子の“中身”までも)、本人によるデザインスケッチ等が展示してあり、Poul Kjærholm本人のインタビューが映像として流されていた。
こういった感じで配置して欲しい・・・みたいな感じで椅子や机が配置されていた。
形!これが何とも言えない曲線美で、素晴らしい。四半世紀以上前のものなのに、今見ても斬新だと思う。「これ、これが見たかったんだ!!!」と唸ってしまった。

椅子の形の基本、「四本の支え、座席部、背もたれ」の四角い概念を、支えを曲線で描いたり、素材の違うもの同士を繋げることによって新しく美しく仕上げ、尚且つ配色も、飽きのこないシンプルなもの。人が使うもの。それゆえの使い勝手。
これ以上にシンプルで、これ以上に斬新な椅子って久しぶりに見た。

例えばなんだけど、同じ“椅子”のアーティスト。EAMESは、ポップな、遊び心のあるアーティストだと思うんだけど、Poul Kjærholmは、モノの調和を図ってるアーティストだと思った。

一通り見て回り、一言。
        「恐るべし、Danmark!!」
モダンアートAndy WarholRoy Lichtenstein、絵画はAsger JornPicassoなどのアートが無造作に展示されており、そこを抜けると、でっかい絵がばーーーん!と3枚あって、真ん中にあるソファーでぼーーっとその絵を眺めた。
土偶(?)みたいなものも展示されており、Janet Cardiff & George Bures Millerによる、視覚と聴覚で楽しむエキシビジョンがやっていた。ヘッドセットから聞こえる音と共に、映像を見る。その1つ、燃え上がる建物が延々と映されていて、消防車や消防隊が消火活動をするところなどを延々と映像にしている作品があった。
後、いろいろなアーティストの映像もあった。日本語の変なのもあったり。

中庭からは海が見えた。銅像などが無造作に置かれていて、外へ出れるので、広いので散歩したり、のんびりとくつろげる。

カフェが併設されており、室内でも室外でも楽しむことが出来るようになっていて、色とりどりの飴玉をひっくり返したかのような配色の椅子が置かれていた。ステキ☆

子供の遊ぶスペースもあって、そこには小さな椅子と、机、マジックやクレヨン、色鉛筆、ねんど、画用紙が用意されており、誰かの撮った写真がカラーコピーされていて、それを切ったり貼ったり、色を塗ったりして遊んでいるようだった。
その、Danmarkの子供がしたであろう落書きや、切り絵のデザイン(配置や配色)が素晴らしく、こういう環境に育っているからこそ、こういったデザインの感性があるのだなぁと思った。

やっぱり、生まれ持ったもの、小さいころから受ける視覚と聴覚が、日本人の私とは全く違うから、一生かけてもこんなアートは生み出せないな。

一周を回り、受付まで戻り、そこでForm/Design Centerでも見た、“ハト型”アクセサリーが売っていて、買おうか迷ったけど、一瞬の可愛さだなーと思って買わず、いろいろと見て回ってたら、その型の鏡が売っていて、思わず大小1枚ずつ買ってしまった。
購入時、お店のステキなメガネのおじさんに「Hej!(こんにちは)」と言うと、ぶつぶつと言われ、「?」となってると、「あー!ゴメンゴメン。キミ、Danishかと思ってね。Danmark語で話してたよ!」と笑われた。・・・どこを見て、Danishと思ったんだろう?

まだまだのんびり見て回りたかったけど、次の予定が!と12時40分くらいに出て、駅の待ち時間にKioskでオレンジジュースとりんごジュース・500ml(2本で25DKK、1本だと20DKK)を買って、飲んで待ってたら、横に座ってたパンキッシュで、鼻・口ピアスの厳つい女の子がにこっと笑いかけてきたので、こっちもにこっと笑った。(私は人を見ると、にこっとするクセがあって、どこでもしてしまうんだけど、ドイツもスペインもデンマークもそんなことする人居なかったのでびっくり!)

さて、次の目的地Østerportへ。Humlebækから20分くらいで、Københaven H方面の電車。なので、帰り道になる。時間は14時前だった。
うちの父親曰く、世界三大しょーーーもないもんDen lille Havfrueを見に行く。
駅に着くと、港町独特の磯の香りと温い風を感じた。かもめの鳴く声も!

階段を上がると、IRMAがあったので中を見るものの、特に必要なものは無かったので速攻出て、地図を広げてどうやって行こうかな~?と信号のところで止まって調べていると、信号待ちしていたマウンテンバイクに乗った、スーツ姿にメガネ、ヘルメットにリュックを背負った30代くらいの紳士と目が合った。
「どうしたの?」と咄嗟に声をかけられた。返事をするまもなく、「もしかして、道に迷ってるの?」と聞かれた。別に迷ってる訳ではなかったけど、せっかく声を掛けてきてくれたので・・・ご好意に甘えようと思い、「あ、そうなんです。えっと、私、Den lille Havfrueに行きたいんだけど・・・」と言うと、信号が変わったので、自転車を歩道に寄せ、胸ポケットからボールペンを取り出し、「ああ、Den lille Havfrueね。・・・えっと、(地図を指して)今がここなんだよ。でね、この道を下に降って行くと、右側にスロープがあるからその道を歩いていくと海が見えるんだよ。海に出たらすぐ見えるよ。」と教えてくれた。「どうもありがとう。」と言うと、「そうそう、(大きさを手で表しながら)こーーんなに小さいから!(笑)見てガッカリするかもしれないけど、見てきてごらん!」と言われた。「げ!マジで?」と言い、何度もありがとうと言うと、「いいよ、いいよ!」と颯爽に去って行った。・・・あー、Danmarkの人、優しい人も居るんだ。

歩くこと10分弱。スロープを渡り、海が見えてきた。
クルーザーがたくさん止まっていて、多分ドイツ人の観光客がたくさんいた。

どこなのかなぁ?と探すも、見つからない。立て看板の地図で確認すると、現在位置の目の前だった。
歩くと、人だかり。「もしや!」と行くと、あった!(笑)

父親から再三言われていたし、紳士にも言われていたので、期待はしてなかった。
海辺にちょこんと小柄な女性大のDen lille Havfrue!!周りで子供が乗ったりして遊んでた。3枚のみ写真に収め、とっとと退散。
感想>「ま、こんなもんか。」と言う程度(笑)

今から数百年前の建物が、現在もDanmarkの人々のアパートとして使われており、写真を撮ったり、散歩しながら駅に到着。

今日の最後の目的地、出発前にこっそりメル友になっていたneco52さんが教えてくれた、Dansk Design Center (DDC)へ。時間は16時前。今日は17時で閉館なので急ぎ足。
場所はKøbenhaven Hから目の前のチボリ公園の裏手。すぐに、ガラス張りのDDCが見つかった。
建物は、吹き抜けになっていて、1階と中2階と地下。そんなに広くない。Louisianaと比べれば、展示数は1/4ほど。
入り口に受付があり、小さなグッズ売り場があって、カラフルな大きな長い笠の電灯が吊ってある、光が物凄く入るカフェがある。椅子と工業デザインのエキシビジョンがちょろ~っと。それで1階。
サーモンピンクと白の生地を編んで張ってある壁の横を階段で上がって中2階は、Danmarkの服飾デザイナーの洋服のエキシビジョンと、工業デザイン(ロゴとか)のエキシビジョン。
地下に真っ白なスペースに、環境を訴えたエキシビジョンとモダンなTVやラジオ等のエキシビジョンがあった。
Vespertine/Björk
真っ白なエキシビジョンのBGMは、Hidden Placeが流れていた。
真っ白な中は、小さなスーパーのようで、全て真っ白な牛乳パックや缶スプレー等が置かれていて、人間が及ぼす害について一つ一つのモノに書かれている。
そこの白い空間とピッタリ重なるBjörk声。そこは隠された場所。そして、隠されていると思い込んでいることが、本当は現実だってこと。
後を引くエキシビジョンだった。

Danmark語のみのDDCパンフレットを貰い、気に入ったポストカードと、気になった真っ白のエキシビジョンのバッジを買って、後にした。

未だ、外は明るく、最終日なので・・・といろいろ歩き回った。
とある路地で、可愛らしい毛糸・ボタン屋を発見した。おばさんが2人でやってる店だった。地下に下る階段を降り、店へ入った。店の中は毛糸とボタンがたくさん売ってあった。
時折、毛糸の色味を相談しに来る人がやって来て、おばさんとおしゃべりしながら毛糸を選んでいた。そこで、キレイな水色の貝ボタンがあったので、思わず買ってしまった。1枚1枚同じ様だけど、色が少しずつ違ってた。

また、フラフラ歩いて、NETTOでチョコレートのアイスを買った。小さいNETTOで、赤モヒカンの背の高い体格のよい厳ついお兄さんが、品出しをしていた。
荷物が大きく、通れなかったので立ち止まっていると、お兄さんがにこっと笑って荷物をどけてくれた。「Tak!(ありがとう)」と言ってにこっとすると、何も言わずににこっとしてくれた。その笑顔がステキだった。

食べながらフラフラしてると、Guinnessの博物館があった。
でも、何となく見る気がしなかったので、博物館前に置かれたギネス記録・最も背の高い人 の模型を眺めながらアイスを食べ終えた。

H&Mのバーゲンで、ステキなコートを発見した。丸襟で、小さいボタンがたくさん付いていて、紺色で、丈がお尻が隠れるか隠れないかくらい。試着して、可愛くて余計に気に入ったものの、悩んだ挙句、結局買わなかった。(旅は未だ続くし、似たようなの持ってるし、荷物が増えるとしんどいしね)

フラフラ歩き回り過ぎて、どこだか判らないところまで来た。本当の現地の人しか居ないようなところだった。
住宅街(アパート街)を通り、Kongens Haveと言う公園まで歩き、そこで休憩しつつのんびりした。芝生が一面に広がり、その上にマットを引いて寝たり、ご飯を食べたり、おしゃべりする姿が見えた。木がところどころ生い茂って、ベンチもあって、のんびり出来た。

歩いていると、ところどころで楽器を弾いてお金を貰う人をよく見かけた。
ある、12,3歳くらいの姉妹が、ヴァイオリンを弾いていたのを見ていて、目があったので小銭を入れたら会釈をしてくれた。

気付いたら19時回っていて、そろそろ帰ろうとバス停へ歩いて行き、Kioskで飲むヨーグルトを買って飲んで、Hapsdogを食べるかどうかで悩んで、やっぱ止めて、バスを待っていると、後ろから腕をつかまれた。

千秋だった。

「大丈夫だった?」と聞くと、今日は昼過ぎまで寝て、そこから街を散歩し、一度帰って、IRMAに水を買いに来たら偶然見つけたとのこと。
「お腹空いてない?せっかくだし、何か食べに行く?」と言うと、「行こう!」と言ってくれたので、行くことにした。
街の中心通りは、観光客むけのレストランばっかりで、騒がしい。そういうのが嫌だったので、なんとなーーーく歩いて、1本通りをずれたところにステキなKrasnapolskyと言うオープンカフェがあった。
人通りが全く無く静かで、店内はボザノヴァ的な音楽がゆるーく流れていて、入り口に赤いバースタンドがあり、その奥へと席がある。ソファーと椅子が一直線に並べられていた。
机には瓶に1本のピンクのバラが、全席同じ位置に置かれていた。誰かの大きな顔の大きな絵が飾られてあり、オシャレ。日本のオシャレなカフェってあまり行ったことが無いからよく判らないけど、たぶん、一捻りも二捻りもセンスが上だと思う。

そこで、オレンジジュースとハンバーガーを頼んだ。114DKK。
本当はオープンサンドを食べたかったけど、ランチメニューでもう終わりとのこと。

20分ほどすると、大皿に盛られたポテトと、ハンドボール大のハンバーガーが出てきた。
店員のお姉さんが「ケチャップいる?」と聞いてきたので、「もちろん!」と答えた。ケチャップ大好き。ポテトにケチャップを大量にかけ、「いただきます!!」

今日あった1日のことをお互い話し、今日で終わりのDanmarkでこんなオシャレなカフェでご飯が食べられて良かったね~等と話す。

ハンバーガーにはレタスやよく判らない葉物野菜と、よく焼かれて肉々しくて油分の無い厚さ1cmほどのハンバーグが挟まれてあった。
私はケチャップ&ポテトの組合せが大好きなので、先に全て平らげてしまうと、ハンバーガーが食べられなくなってきた。お腹いっぱい。

「食べられんかも・・・」と言いながら2時間ほど話したり、チビチビ食べたりして、結局は半分以上のハンバーガーを残してしまった。千秋はハンバーガーは食べて、ポテトの9割を残していた。

「こんなんだったら、半分にして、デザートも食べれば良かったね。」と、残したハンバーガーに別れを告げ、22時30分のバスで宿へ。
風呂に入って明日の出発の準備をして、夕涼みをすると、星空がキレイだった。1時就寝。




be best,

not in,

but for

the world

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by lunemusique | 2006-07-24 10:37 | おんな二人の珍道中<完全永久版>