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https://eldiariodeiamsyko.hatenablog.com
# by lunemusique | 2024-02-29 16:23

あとがき

今回の旅が終わったあと、この旅を終えたら生きて行けるか不安がありました。

旅を思いつき、計画を練り、旅が始まった序盤のころも、その不安はどこか心の中につきまとっていて、ふとした瞬間や寝るときに押しつぶされそうな気持ちになりました。




あの子を失ったとき、ぼんやりと思ったのが、


「私はあの子のお陰で、人よりも長い間『青春』を味わわせてもらっていたんだな。」


と。


私たちの関係は、高校生のころから一点のブレもなく過ごして来ました。

生活は然程変わることはなかったし、周りの人よりも、守るものも抱えるものも少なかった。





いままでは、ほんとうの事実と向き合うのが怖くて、知っているフリをし続けてきました。

フリを続けていても、これからは、自分で考え、自分で処理をしていかなくてはいけない。いつかはこの事実と向き合わないといけないことはもう分かっていました。


どんなに楽しいことがあっても、一緒に笑ったり、楽しみを共有できない。どんなに辛いことがあっても、愚痴を言ったり、泣いたりすることはできないのだ、と。




それはすぐにできることではなく、考えをまとめ、落ち着いて、立ち上がる時間が必要でした。




あの子が言っていた言葉を思い出し、「行きたいな」「見たいな」とつぶやいていた想い出の場所へ行き、実際にまたこの目で見に行くことができたし、あの場所はずっとある。


不安はあるけれど、安心できる。




私たちは、これからどんなことがあっても友達に変わりはない。




いま、やっと。

長い青春を終えたあとのスタートラインに立てるようになったと思います。






さようなら、我が友よ。



そして、いつかまた逢おう。






あなたは私にとって、誰にも代わりのできない、最高過ぎる友達でした。














# by lunemusique | 2016-12-14 23:48 | 永久版おんな二人の珍道中〜10年後〜

旅のこぼれ話⑲

日本へ帰る日の前夜。


夕飯に最後のケバブを食べて、荷物の準備をしました。
宿の受付のおじさんとは顔なじみになっていて、おじさんは部屋番号を言わなくても私の部屋番号を言いながら鍵を出してくれるような間柄になっていました。

少し時間があったので、最後の最後にスーパーへ行って、少しだけお菓子を買いました。



お風呂に入って、寝るとき。



なんだか悲しくなってきて、涙が出ました。


『とっても逢いたいけれど、もう逢えないのはとっても寂しいね。』


そう思いました。





翌日、スーツケースを二つ転がして空港へ向かいました。

最後に、スターバックスでクリスマスのホットチョコレートを買って飲みました。



10年前と同じ場所で、同じように。






デュッセルドルフの空港の空にも、飛行機雲が見えました。












# by lunemusique | 2016-12-14 23:37 | 永久版おんな二人の珍道中〜10年後〜

旅のこぼれ話⑱

デュッセルドルフからケルンへ日帰り観光しました。

どこもかしこもクリスマスマーケットで賑わっており、観光バスに乗って市内を一周しました。



のんびり市内をめぐり、デュッセルドルフに帰るとき。

デュッセルドルフ行きの電車の切符を買おうとしていると、中国人の男の人に声をかけられました。

「デュッセルドルフに行くの?」

怖かったので無視すると、何度も「デュッセルドルフ?」と聞いて来るので、「そうだけど?」と言うと、「一緒に帰りませんか?」と言われました。

騙されるのはイヤなので、様子を伺っていると、横で切符を買おうとしたドイツ人の女の人にも同じことを言っていました。
ドイツ人の女の人は、「ああ、いいよ。分かった!」と言い、なんだかよく分からなくて横で何を話しているのか聞いてみたけど、ドイツ語で全然分かりませんでした。中国人の男の人が言うには、「そこのパン屋の前で25分に待ち合わせで!」と言うので了承したけど、どういったことなのか分からずじまい。

時間に戻ると、男の人が「この子と待っていて!」と言ってどこか行ってしまいました。

そこにいた、ドイツ人の女の子に「私、ドイツの鉄道のシステムがよく分からないんだけど、どうして一緒に帰るの?」と尋ねると、32ユーロで5人まで同じ切符で乗ることができるそうです。なので、中国人の人は人数を募っているんだと言うことでした。

女の子は「4人も集まってるんだから、もういいのにね。」と言っていたけれど、男の人は、私たちをホームに連れていくと、また人を探しにどこか行ってしまいました。

女の人も、女の子も、私も、電車の時間が10分遅れてるとは言えもうすぐ来るのに、男の人が戻ってこないことに少し苛立っていました。

電車がホームに向かって来ているのが分かったとき、女の子が「ちょっと探して来るね!」と言って探しに行ったところ、男の人は戻って来たので急いで電車に乗り込みました。





通常は11.5ユーロなので、3.5ユーロ得したけれど、こんなバタバタだったら一緒に乗り合いはもういいかな。










# by lunemusique | 2016-12-14 23:21 | 永久版おんな二人の珍道中~10年後~

旅のこぼれ話⑰

朝、7時55分の電車で最終目的地・デュッセルドルフへ。
パリ北駅発の電車。いっぱいの荷物を詰め込んだスーツケースを転がしながら、まだ日も登らない暗い駅までの道を歩きました。

駅には30分前には到着して、乗るのに荷物検査と金属探査機の検査がありました。

そこにも、散弾銃のような銃を持った警察官がいて、少し怖かったです。


無事に電車に乗り、デュッセルドルフへ。


デュッセルドルフは、今まで行ったドイツの都市の中でも小さな街でした。

ホテルを見つけ、チェックインまで時間があったので空港へ行ってスーツケースを買いました。


ああ、そういえばこんなところだったなと思い出しながら、スターバックスのフラペチーノを一緒に飲んだことを思い出しました。



空のスーツケースを転がし、またホテルに戻る。


荷物を詰め直し、一息ついてから街の散策に出掛けました。




長かった旅も、もうすぐ終わり。






ここまで無事に来れて、そのことにただただ感謝でした。












# by lunemusique | 2016-12-14 23:03 | 永久版おんな二人の珍道中~10年後~